地平線と山が重なりあう日

表紙で読む本〜その1〜

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本の内容や、作者を知らず、素敵な表紙とタイトルに惹かれて図書館で借りた良かった本。その1


「すっぽん心中」戌井昭人
以前、スポーツ新聞か何かで紹介されていた「母がダイナマイト心中」をした内容の本が紹介されていて、少し気になっていました。ムンクの叫びが表紙だったような。「すっぽん心中」と勘違いして、きれいな表紙に惹かれて、図書館で借りてみました。読みはじめて、なんか予想していた文体が全然違うな、、と思ったものの、素晴らしく、一気に駆け抜けれました。それも、読み終わって、3日くらいして、よく見ると戌井昭人さんという作家で、「ダイナマイト自殺」は末井で別の作家でした。内容は、ちょうど、同じ時期に、小田扉の「温泉」のマンガも読んでいたので、シンクロしているような気もするのですが、「すぐそこにあるかもしれない日常と5㎝だけ離れている場所。」と、
戌井昭人さんって、後で知ったのであるが、「鉄割アルバトロスケット」の主催の方ということ。「鉄割」というと、お世話になった、萩谷さんも衣装で関わっていた劇団。kiiiiiの人も関わっていたはず。何気なくtwitterみてたら、タイミング良く今日から、新作公演がはじまっているということで、その場の勢いで深夜に、チケットをとって、見に行きました。この本を借りていなかったら、なかった出会いがまた面白い。わたしの行動は気まぐれである。
演劇を見る日、朝っぱらから、品川に久しぶりに行った。サイトゥンブリをじっくり見た。絵を見るのは、なかなか楽しいとこの歳で、ようやく感じたようだ。サイトゥンブリが良かった。そのちょっと前は、高校野球の第一試合を見てた。「魔物がいるんですよ。魔物が。甲子園には魔物、」となりで見ていた若者が、僕につぶやく。魔物の存在を大きくしているのは、他ならぬ俺たちではなかろうか。甲子園球場のみんなが「魔物」の登場を信じていて、大逆転や、ここぞのエラーや、ストライクを求める。「魔物」が現れたら、みんなこういう。「ほら甲子園には魔物がいるんだよ」魔物は、ピッチャーにのしかかって行く。ああ。「魔物」がいるかどうかは、さておき、肩にのしかかるプレッシャーと対決する高校生の顔はたくましい。負けないぞという闘志や、余裕がないのにポーカーフェイスをする顔は、さらにたくましい。まだまだ見たいと思いながら、その場を離れ、品川に向かった。品川の街は昼間の強い日差しに照らされて、かなり光っていた。品川や、青山の金持ちの街並みが好きである。ピッシッとしたファッション写真のような。美しいと思いぼけーっと見ていた。いつの間にか、時間がかなり経っていたので、急いで下北沢に行き、鉄割を見た。楽しかった。始終笑っていた。と偶然見に来ていた、書店の店長がいたので、少し話した。そういえば、ここ下北沢で偶然会って、一緒にカレーを食べたね。すぐに分かれて、帰ったら、キャッチボールをしよう。と思った。そして、偶然か、何かの縁か、鉄割の公演にテニスコーツの植野さん、池間さんも出演していた。終演後、池間さんのCDを、全財産で購入して、帰った。この日は、甲子園を、野球をやっていた若者と見て、サイトゥンブリーをみて、鉄割を見て、、、と、いろんなものを、見た。インプットしすぎたのか、具合が悪くなった。いや、インプットしすぎたからではないっす。疲れていたのに、走り回ったからっす。

「タタド」小池昌代
言葉がすっと丁寧に置かれている文体に感じました。世界観も好きなのですが、これは、まったくの表紙の美しさを持って借りたものです。内容も表紙の空気同様、素敵でした。ちょっとおっかないところもあるのですが、キレイな日本語がぐっと来ました。詩集も出されていらしゃるのか?日本語に対して、すごくよく練られている気がした。ので、美しいと思いました。3作品ありましたが、どれも良かったのですが、「45文字」の、もって行き方が素敵でした。結末がどうなるかドキドキしながら、人の人生を覗き見している感じです。「浮気するのか?」「しないのか?」「ふみとどまるのか?」「あー。美しくなっちゃった」とか思いながら読んでいます。村上春樹もそうですが、男女が、急に、sexに乗り出したりする話、ぼくは好きです。僕は、この「タタド」を読んで、さらに、波をみるのが好きになりました。波が好きです。

「哀しい予感」吉本ばなな
中学生くらいのときに、名作として本屋にいっぱい並んでいた思い出の作品。名前だけ知っていたけど、多分読んでいないから、軽い気持ちで借りてみました。この3冊、同時期に、バスの中、電車の中、ソファーの上、図書館の前の噴水のへりで、一気読みしたのですが、トリという感じがしました。弟よ。姉よ。読んでる時、「すごいな」という震えがやってきました。ノルウェイの森のような、感覚の、扱ってはいけないような神の領域に入っているような感じがしました。素敵な、表紙だと思ったら、あとがきから読むと原マスミさんの絵だったのですね。素晴らしい本。後書きにも、ばななさん本人が書いていましたが「この作品は無骨ですが、わたしにとってとても大切な本になりました。そしてたくさんの人の協力を経て、この本が云々」の文章をよんでさらにぐっと来た。なんか、オペラが終わって観客の拍手を聴いているような、アフタートークを聴いているようなそんな気分になりながら、後書きも良かったです。
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by horaizunyt2 | 2015-08-19 09:17 | くろおか
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