地平線と山が重なりあう日

いこうともサンボ

電車に乗って國分 功一郎「暇と退屈の倫理学」を少し読み進める。隣の酔っぱらいがやけに話し声が大きいので、集中できない。家に帰ってからじっくり読む。


「伴瀬朝彦×三輪二郎」
三鷹「音楽の時間」で2マンライブを見た。人のライブに、出演者ではなく行くのはかなり久しぶりのことだ。自分が出演者だと、どうも、自分のことが気になって、自分のテンションをある部分で維持する力が働いて、他の出演者を見ていることが多いもんだから(これも大分、本当かどうかあやしいが)、よっぽど強烈じゃない限り、こころまで届かないことが多い。ま。比較的多い割合で何かしらが届くのでありますが。お客さんの側で行くと、なんのそういう「やるぞ〜スイッチ」「やってやるスイッチ」的な気持ちもないから、入ってくる時は入ってくるし、何も入ってこない時は、入ってこない。これも自分の状態ということもあるのだが、お客さんで行くといろいろ感じたり見えてきたりする角度がちょっと違うので面白いと思った。僕にとってライブとは、「すげー」とか「やられた」とか「格好良すぎます。惚れた」とかどうでもいい。もちろん多々あって、「かっこ良かったです」とか駆け寄って言うのだが。基本、自分大好き人間の自分が、どこまで己の中のイマジネーションをくるくるまわせるかが、その人(出演者)の出来となる。あまり期待しないでいくとこれが起こりやすい。期待していくと、余計なフィルターがかかってしまうから、あんまり期待して行かない。日常の延長線上の、その辺に咲いている野草を見た。これくらいの気持ちでライブハウスに行く。良いライブは、イマジネーションをくるくるまわしたり、全く新しい角度の思考が生まれたりする、自分にとっての化学反応が一番大事だ。あとは、「僕だったらどうするかなぁ」とか考えながら見ている。もちろん、もう途中から惚れてしまって、その世界にどっぷりつかってしまって、自分で考えることができなくなることもあるが、お客としてのテンションが維持されているから、やる方と対決しにいくような感じ。こんな疲れる見方して何が楽しいのだ?と思われるかもしれないが、何か、言葉には出さないが、自分の中で、セリフをたくさんくっつけてみる。これが楽しい。お笑いでいうと、次のボケよりも面白いボケを頭を高速回転させて、自分の中で生み出して、実際、出てきたボケとどっちが面白いか、競い合って、頭を鍛えたり、、そんな感じだ。もちろんいつもではないが。これが、格闘家となると、パンチを出したら、こうする。こうする。ここでこうやって、とか、イメージしながら見ているのだろうか?ま。そういう疑似スパーリングのようなものだ。



歌を聴いていると、いろいろ想像できる。言葉が振ってくる。ただ影響されているだけかもしれないが、自分がひっかかっていたところが、すぽっと落ちてきたりして、回答に対するヒントを与えてくれているようだ。僕は、ライブに行っていろいろ頭をオープンにしたり、ドアを開けたり、やわらかくしたり、アプローチに対する美学を見たり、音楽に対する付き合い方をみたりして、ビールを飲んでいる。

三輪二郎さんも、伴瀬朝彦も、いろいろ楽しめた。テクニックはもちろん、歌ってきましたという年輪が、僕にちょこちょこアプローチする。これは、場数の問題もあるが、その人がどれだけ歌に対して自分と対峙させてきたかが一音出したら出てくるから、その、生き様のようなものが2人ともから感じられて、なんとも素敵な気分になった。とかなんとか見ていると、ふいに自分の中に言葉が降ってきて、それを書き留めたい衝動に襲われた。映画館の中だったりすると、真っ暗闇でひとりメモ帳を持って、シャカシャカメモを書いていたりするのだが、昨日は少しはばかられた。会場が明るかったのもあるが、隣に座っている人に、メモを見られるのが恥ずかしいからだ。あまりにも隣のとの席が近い。そして、メモをシャカシャカとっていたら「何してんだ?こいつ?」と思われてしまう。思われてもいいのだが、一番恥ずかしいのは、書いている内容を見られてしまうということだ。もちろん誰も見やしないだろうが、見られたときに「ピカと光るアフタヌーン」とかそういう単語を見られてしまった時の、素の自分の顔とメモのギャップが何だか恥ずかしい。何かをメモする時は、誰も知らないうちにこっそりするのがいい。とかなんとかで、結局頭に書きたい欲求だけが残りながら永遠と、その言葉を忘れないように持ち帰ろうとした。

ライブが終わって、帰ろうとしたところ、いつもビールを飲ませてくれる先輩が「くろちゃんぺ。飲もうよ〜〜」と誘ってくれた。「いや〜」とか言いながらキャッキャしゃべっている間に、なんだか忘れてしまった。忘れないように帰るのが、今日のライブの収穫だ。僕の自分のお弁当(?)をちゃんとつくらせておくれ。帰りの電車の中で、その覚えている断片を携帯電話でポチポチと打ったりしたのだが、なんだかしっちゃかめっちゃかになって帰るというそんな日だった。またこころにもやもやが増えて、これを解決したい気持ちになった。これを紐解くのが僕の生きる楽しみだ。町を歩いていても、川を見ても、なんらか思うもので、最近は言葉に転換する能力をつけたいと思いながら、頭の中でこねくり回しております。


三輪二郎曰く「野音でワンマン(6800円)」
伴瀬朝彦曰く「茨城、下妻の文化ホールでワンマン」

とにかくカッコよろしい人たちでした。
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by horaizunyt2 | 2012-07-22 23:06 | ライブ後日談
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