地平線と山が重なりあう日

フェスとは人々が手間ひまかけてつくるものだ。さあ。呑もう。さあ。パンを食べよう。カレーを食べよう。

初めてAlfred beach sandal



にあったのは、高円寺の「せい家」という家系のラーメン店。確か伴瀬(アナホール)のライブの終わった後で、伴瀬に「この人(Alfred beach sandal)も一緒に連れて行って先に呑んでて。後で行くから、このひとA∧≦*beach*∧って言う人だから」と紹介されたけど、しっかり聞いてなかったので一体それが名前なのか全然わからなかった。歌を歌う人なんて知らなかった。名前はどうでもいい。ラーメンが食べれればいいんだと思って、初対面にもかかわらず、ラーメン店で、ビールをぐびぐび呑んでいた私は「君はオアシスとブラーはどっちが好きなんだ?」と飲んだくれ調でずっとくだらない質問をして絡んでいた。隣にいたまた輪をかけて柄の悪いわるい先輩が「俺はブラーだな。君はブラーは知っているのか?」と絡んでいた。そのとき、真ん中に座らされた可哀想な少年は「いや、僕は、、」と埋もれていた。かわいらしい少年だなという印象を持った。

その次にあったのは、車の中で、河合一尊氏がかけてくれたAlfred beach sandalの曲だった。「なんだ。この歌の猛烈にうまい人は」という感想を持った。一尊氏が「ヒゲの男の歌」を教えてくれた。まさかあのラーメン店で真ん中にいた少年がこの歌を歌っているなんて、驚愕の事実を知った。そのギャップに驚いた。なんでも才能に驚く時はギャップに驚くことが多い。え!

6回目に会った時、私はちょうどその男のCDを買っていて、店から出た瞬間にその男に会い、無理矢理サインをしてもらった記憶がある。その後、このCDは良く聞いた。

8回目に会ったのは、2010年の年末。mona recordsでの年末ライブで、とっぽい演奏をしていた、とっぽい男だった。とげとげした演奏だった。

10回目くらいで、videotapemusicの展覧会で歌を歌っているのをみたとき、みんな、聞きながら黙々と飯を食べていた。彼は変なコード進行なのか、いや、変則的なリズムなのか、CDで曲を知っているものの、ほぼ歌うことは難しい歌だった。変な、リズムの変則的男め。と思った。しかし彼の曲はのる前に、リズムが変わってしまうが、素敵だと思った。こんな曲をつくる若者がいたのかと知った。このわかりやすくない感じが好きだと思った。


13回目に会ったときに、そいつは急に「グラタンが食べたい」と言った男だった。「いい洋食屋があるから来い!」と私は無理矢理、連れて行って、一緒にハンバーグを食べた。グラタンはなかった。あれはイッシープロデュースの始まる15分前だった。

19回目くらいで、伴瀬氏から、「アルフレッドのお客さん女の子いっぱいだったよ」と聞いて彼の歌が、カラオケでは歌えないのに、すごい集まったということを聞いて、これは素晴らしいことだと思った。彼の音楽が認知されていることが本当に素晴らしいことだと思った。

46回目は先日のインストアライブだった。タワーレコードで、伴瀬氏と遠藤氏を両隣に、歌っている「ふんっ」て感じの少年。あれ、こんなちゃんと聞きやすい展開だったか。と私は疑問に思った。僕が覚えたのか、はたまた、わかりやすくなったのか、不思議だった。「はじめて聞いたけどメキシコの女の歌良かったね。」と言うと「大体やってますよ」と返された。

今日は多分52回目だと思うが、相当かっこ良かった。自分のメガネがおかしいことになっているのか、その男のメガネがおかしいのか、アイドルに見えた。私は個人的にブルースがとても好きなのですが、彼のはいわゆるブルースではなくまったく違う新しい近未来のブルースなのである。そういうと、だっさい歌謡曲のように感じてしまうが。シャムキャッツの夏目さんがよいキャッチコピーをつけていて「カリブ海のビーフハート」と言っていたみたい。素敵だけど、ぼくはビーフハート2枚くらいしか聞いたことないのでピンと来ない。みんなから「びーさん」「びーさん」と可愛がられているのに全然可愛くない彼は、一人で歌う姿が凛としていた。こんなことは滅多にないことだ。酒はそんなに呑んでいない。ほとんどの曲を僕が覚えてしまったと言うことにもあるだろうが、言葉の選び方にはたまたピンと来るものがあった。また聞きたいと思った私は、少女のような気持ちで聞いていた。これがファンになることか〜とあらためてそのメカニズムを知った。まじめに聞いてしまった。いや、くいいるように聞いてしまった。彼は暗い少年のように見えるが、単純なわかりやすい言葉を使わないで、常に何か祝福のラインに躍り出る瞬間をつくるための助走のような言葉のセンスで「前向き」というようなことをあらわしていると思った。英語の歌はまったく意味がわからないが最後にエンプティと出てくるのが好印象だった。まずい。メガネをかけかえなければ。

ということで、今日は「矢川フェス」にお邪魔した。主催の人、そして家を提供した方の姿勢には本当に素晴らしいエネルギーがあると思う。そこにお邪魔できる喜びをもった。フジサンロクフェスのキャメラマンのおうちを思い出した。

今井次郎さんがこれまた、表現者とはこういうことだということを見せつけてくださったことに、震えた。あの人のたたずまいは、でかすぎる海みたいなものだ。本物だ、、、これしか言えない。濃縮されているものをみれる喜び。

点to点も良かった。話しかけたかったが、邪魔になると思って帰った。素晴らしいフェスと人間のいいフェスにしようという気持ちが見えたフェスだった。

帰り道、「俺の名前は二郎」と「このかさぶた見えないけど痛いの」という曲を一緒に歌ってくれた、ブルース先輩とラーメンを食べる。はじめてちゃんと話をしたのですが、この先輩も、光っている目をしていた。「最近腹出てきて、、、」という2人ともある悩みを出して今日は帰路についた。
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by horaizunyt2 | 2011-08-13 23:12 | くろおか
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